イベント概要

国家戦略道路占用事業の区域として認定された新宿副都心中央通り周辺の道路、公開空地、公園を一体的に活用する社会実験「Shinjuku Share Lounge 2018」を実施。
2015年の実施以来4回目となる本年度は、“ナイトタイムの充実・賑わい創出”を目指し、西新宿の超高層ビル内のオープンスペースなど6か所で映画の上映する「西新宿超高層ビルSHORT SHORTS シアター」を開催。”1.エリア外からの集客効果とエリア回遊性への効果”の検証を行った。また、”2. 地域イベント等との連携を強化”し、超高層ビル街区と新宿駅東西のまちが一体となった賑わいの創出を図った。

名  称: Shinjuku Share Lounge 2018 ~西新宿超高層ビルSHORT SHORTS シアター~
実施日程: 2018年10月2日(火)〜10月6日(土) 計5日間
(屋外広告物掲出・道路占用期間:2018年9月20日(木)〜10月7日(日)計18日間)
実施場所: 【映画上映箇所】西新宿の超高層ビル内のオープンスペースなど6箇所
①新宿駅 ②工学院大学 ③新宿センタービル ④新宿野村ビル
⑤住友不動産新宿グランドタワー ⑥新宿NSビル
【イベント連携】西新宿エリア (街路、各ビル公開空地、新宿中央公園等)
主  催: Shinjuku Share Lounge 2018実行委員会、一般社団法人 新宿副都心エリア環境改善委員会
後  援: 東京都、新宿区
メディア掲載: 日本経済新聞、朝日新聞、フジサンケイビジネスアイ、京王ニュース 他
主な視察来訪者: 新宿副区長(10/5)

地図画像地図画像

社会実験の目的

  • テーマ I
    ・ナイトタイムエコノミーの活性化に向けた取組による、エリア外からの集客効果と回遊性向上の効果を検証

    ナイトタイムエコノミーの活性化に向け、 「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」 とコラボレーションし、西新宿エリアの6箇所で映画イベントを面的に展開。
    ナイトタイムの充実によるエリア外からの集客、回遊性向上の効果を検証。

  • テーマ II
    ・地域イベント等との連携強化によるエリアの一体的な賑わいの創出

    新宿パークシネマ フェスティバル、新宿クリエイターズ・フェスタ2018等の新宿区関連イベントや、
    会員企業各ビル主催イベントとの連携を強化し、エリアの一体的な賑わいを創出。

社会実験の内容

テーマ I:ナイトタイムエコノミーの活性化に向けた取組

イメージ画像
1. 映画イベントの面的な展開
  • 米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」とコラボレーションし、超高層ビル内のオープンスペース等6箇所にて映画イベントを面的に展開することで、エリアの回遊性の向上を図った。また、映画イベントを街中で複数展開しナイトタイムを充実させることで、外部からの来訪者や外国人観光客等を誘引するとともに、ナイトタイムの滞留人口を増やし賑わい創出を図った。
2. エリアの情報発信力の強化
  • エリアの認知度向上のため、ショートフィルムに精通した著名人を起用したトークショーを実施し、話題性や集客効果を狙った企画を実施した。
  • 超高層ビルの足元での告知や地域イベント等でのPR連携を徹底し、イベント周知を強化した。

テーマ II:地域イベントとの連携強化

イメージ画像
1. 新宿区関連イベント
  • 昨年同様、新宿区のアートイベントや新宿中央公園での映画イベント等との連携を継続するとともに、HPやパンフレット等PR連携を強化した。
    ※宇宙鳳凰「PHOECCO」 ⒸYoichiro Kawaguchi
2. 各ビル連携イベント
  • 各ビル主催イベントと連携し、エリア全体で賑わいを醸成するとともに、エリアの認知度向上を図った。

その他の取組み:屋外広告物・国家戦略道路占用事業関連

イメージ画像
1. 屋外広告物の設置
  • 特例許可(都・屋外広告物条例)により、新宿副都心エリア(4号街路周辺)での屋外広告物を活用したエリアマネジメント支援事業地区に指定され、禁止区域への商業広告の掲出が可能となった。
  • 上記特例許可により、フラッグ等の屋外広告物を掲出しイベントの効果的な広告効果を狙うとともに、各ビル・地域イベントを繋ぐ環境を演出した。
2. 道路維持管理協力
  • 清掃・巡回、違法駐輪巡回等を、所管部署と連携して実施した。

地域との連携


TM & © TOHO CO., LTD.
Designed by Chiharu Sakazaki

  • 新宿クリエイターズ・フェスタ実行委員会、新宿区主催の『新宿クリエイターズ・フェスタ2018』の一環で、新宿住友ビルにて、「新宿観光特使 ちびゴジラ」の巨大ラッピングを実施。
  • 一般社団法人新宿観光振興協会等が主催する『新宿パークシネマ フェスティバル』『新宿まちフェス2018』とPR連携を実施。

調査内容

  • 写真撮影による観測調査:各会場・各上映作品の開始前後を撮影し、参加人数・滞留時間等の利用者のエリアの滞留を把握
  • 利用者アンケートによる効果測定:回遊性向上効果の把握、満足度や利用の動機等のイベントの主観的評価の把握(回答数737)

評  価

  • エリア外からの集客効果、回遊性向上の効果を検証
    • イベント期間中には、映画イベント参加者5,858人(上映作品ごとに集計)、トークイベント参加者580人、合わせて6,438人が来場した。
    • 利用者属性については、過去3ヵ年の開催と比べ、ワーカーの割合が減少し、主婦や学生等の利用が増加したことから、年齢問わず幅広い層からの利用が確認できた。また、西新宿エリア外からの利用者が増加しており、集客力・情報発信力の高いイベントだったと言える。
    • 利用の動機としては、「内容に興味があった」「勤務先が近い」「気軽に立ち寄りやすい」等のコンテンツや超高層エリアのポテンシャルを評価する声が多く見られ、ナイトタイムの滞留人口の増加に寄与した。また、映画イベントの利用回数については、2回以上が約15%であり、一定数エリアを回遊して楽しむ利用者を確認できた。
    • ナイトタイムの充実・賑わい創出という昨年までと異なるコンセプトで社会実験を実施したことで、ワーカー以外の来街者のニーズを把握するとともに、新たな賑わいづくりを創出することができた。
  • 地域イベント等との連携強化による成果
    • 昨年度に引き続き新宿区関連イベントや各ビルイベント等との連携強化を図り、エリアの一体的な賑わい醸成を図った。エリアの一体的な盛り上げをさらに強めるためには、単発のイベントだけでなく、定常的な地域連携の枠組みの構築が必要である。

今後の検討事項

  • イベント開催時の賑わいやメディアへの掲出増加など、情報発信や話題性については成果があったが、新たな資金源の獲得には至っていない。今後は、エリマネ広告の運用とあわせたスポンサー獲得など、持続可能なマネジメント体制の構築に向けた検討が必要である。
  • オフィスワーカーだけでなく、外国人観光客や周辺住民などの利用が増加し、ダイバーシティに寄与した。今後は、多様化するイベント利用者の様々なニーズに応えるため、自主企画だけでなく、外部の上質な企画を誘致する仕組みについて検討が必要である。