社会実験概要

国家戦略道路占用事業の区域として認定された新宿副都心4号街路周辺の道路、公開空地、公園を一体的に活用する社会実験「FUN MORE TIME SHINJUKU」を実施。
2015年から4回実施してから4年ぶりの実施となった本年度は、“滞在性及び回遊性の向上させる取組み”として、①自由にのんびり過ごせる「芝生広場@都民広場」の設置・イベント開催の実施、②4号街路にテーブルセットを設置する「新宿シェアラウンジ」、③スマホで参加する「西新宿デジタルウォークラリー」を実施、 ④4号街路歩道上および公開空地にデジタルサイネージを設置するとともに、利用実態の調査を行い、その効果を実施した。

名  称: FUN MORE TIME SHINJUKU  ~いつもと違う新宿を楽しもう~
実施日程: 2022年11月19日(土)〜11月27日(日) 、計9日間
実施場所: 【芝生広場】都民広場
【シェアラウンジ】4号街路歩道上
【デジタルウォークラリー】エリア内11ヶ所
【デジタルサイネージ】 4号街路歩道上(5ヶ所)、周辺公開空地(4ヶ所)
主  催: ファンモアタイム新宿実行委員会、一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会
共  催: 東京都
後  援: 新宿区
協  賛: 住友不動産、大成建設、東京ガス、京王電鉄、野村不動産、都市再生機構
メディア掲載: 日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、新宿区報、関係各団体HP、他
主な視察来訪者: 東京都知事(11/26)、新宿区長・副区長(11/24)

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社会実験の目的

  • テーマ I
    ・普段あまり利用されていない都民広場に人工芝を設置し、4号街路にテーブルセットを設置し、普段の西新宿にはない居心地の良い空間を提供し、エリア内の滞在性を向上

    東京都所有の人工芝を委員会が譲渡契約に基づき取得し、都民広場に人工芝を約800㎡ 敷き、Yogibo等を設置、居心地の良い空間を提供。4号街路にはテーブルセットを設置し、来街者にくつろぐ空間を提供。

  • テーマ II
    ・スマホを使ったデジタルウォークラリーを実施するとともに、デジタルサイネージを設置することでエリア内の情報を提供し、エリア内の回遊性を向上

    各ビル等に設置したポイントにてスマホを使いポイントを獲得していくスタンプラリーを実施。大型デジタルサイネージディスプレイを9ヶ所設置し、エリア内のイベントや飲食店情報、行政広告などを放映。

社会実験の内容

テーマ I:エリア内の滞在性を向上する取組み

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1. 芝生広場@都民広場
  • 味の素スタジアムで保管されていた2019年ラグビーW杯のプレイベントのみ使用した人工芝を譲渡。東京都の共催で都民広場を使用し人工芝を敷き、いつもとは違う居心地の良い空間を設置。
  • 平日の午前中は近くの保育園の園庭に変身。
  • 26日(土)子ども向けのイベントとして、東京キャンプ市、ライブパフォーマンス等を実施。
  • 27日(日)よさこいパフォーマンスとして、関東周辺から22のよさこいグループによるステージを実施。
2. 新宿シェアラウンジ
  • 4号街路歩道上に人工芝を敷き、19のテーブルセットを設置し、利用者の思い思いにくつろげる空間を提供。

テーマ II:エリア内の回遊性を向上する取組み

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1. 西新宿デジタルウォークラリーの実施
  • 会員企業の各ビル・ポイント11ヶ所にスポットを設け、スマホを使ったデジタルスタンプラリーを実施。
2. デジタルサイネージディスプレイの設置
  • 特例許可(都・屋外広告物条例)により、新宿副都心エリア(4号街路周辺)での屋外広告物を活用したエリアマネジメント支援事業地区に指定され、禁止区域への商業広告の掲出が可能となった。
  • 上記特例許可により、今年度は初めてデジタルサイネージを設置し、イベントの告知や飲食店情報、行政広告などを放映。

その他の取組み:東京都主催の各イベントとの連携

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1. スマートシティフェスタ(都デジタルサービス局)
  • 内容検討時から連携して実施したいとの要望があった。キッチンカー設置に伴い道路占用許可申請のため委員会が手続きを行う。半年間定例会議を毎週開催するなど密に連携。
2. 大東京商店街まつり(都産業労働局)
  • スマートシティフェスタ同様、キッチンカー設置に伴い道路占用許可申請の手続きを行う。半年間定例会議を毎週開催するなど密に連携。
3. ZEV-Tokyo Festival(都産業労働局)
  • 19日、20日は芝生広場@都民広場を貸し出す形となった。都発信の告知物等には記載しているが、実務では特別連携していない。

調査内容

  • 利用者アンケート(スタッフからの依頼およびQRコード)による効果測定(平日4日、休日2日):
    4号街路と都民広場にて参加人数・滞留時間等の利用者のエリアの滞留を把握(回答数:194)
  • デジタルサイネージに関するアンケートによる効果測定(平日1日、休日1日):
    4号街路にて回遊性向上効果の把握、満足度や今後の課題把握(回答数:50)
  • 社会実験開催期間に係る歩行者交通測定(平日1日、休日1日;7:00~19:00):
    4号街路の明かり部における歩行者交通量の測定

評  価

  • エリア内外からの集客効果、回遊性向上の効果を検証
    • 9日間の社会実験期間中、合計約7,000人が参加した。※23日(祝)は終日雨天のため参加者0
      ①4号街路のファニチャーに座った人約4,500人、②都民広場の芝生上に滞在した人約2,000人 (毎時0分計測、計測時座っていない人はカウントなし)、 ③デジタルウォークラリー264人
    • アンケート回答者の属性は、男女はほぼ同じ、年齢問わず幅広い層からの利用が確認できた。ほぼ半数が会社員で、勤務地は新宿エリアがほぼ半数。
    • 「今回のイベントをどのように知ったか」の質問には、「通りがかり」が約6割、「勤務先からの告知」が1割強。「どのような目的で来たか」には、「新宿に用があって参加した」は7割。
    • 「この後の予定」の質問には「仕事」という人が4割強で、仕事で都庁周辺に来訪しそのついでに立ち寄ったことが窺える。「イベントに関心があった」人は2割程度。
    • デジタルサイネージに関するアンケートでは、「街中にあると便利」との意見が多かった。「多言語対応での表示も欲しい」との意見もあり、外国人観光客が戻ってきていることを表している。
    • 歩行者交通測定から、コロナ禍前の2015年と比較すると、平日休日とも約70%の回復であることが分かった。三井ビル前の人通りが多く、駅方面公園方面合わせて平日1日約33,500 人が通行している。休日は三角広場でイベントを開催中で、住友ビル方向に人が流れ、よさこい開催の都民広場との南北間の往来が増加していた。三井ビル前は休日1日約13,000人の通行者があった。
  • 東京都主催イベント等との連携による成果
    • 再整備方針検討委員会等で連携している都都市整備局に加え、同じ11月実施のデジタルサービス局および産業労働局主催のイベントと連携を図り、行政協議等のノウハウ共有等を密に行い、エリアの一体的な賑わい醸成を図った。

今後の検討事項

  • 都民広場の人工芝設置については、肯定的な意見が多く、来年度も実施する方向で都と調整中。都民広場の管理・警備等についても都と調整が必要である。
  • サイネージの設置場所については道路管理者および公開空地管理者等の関係者と協議の上、サイネージの効果を最大に発揮できる場所に設置することを検討する。